留学一歩目

ミシシッピの大学とは当時はEmaiがなかったので最低着くのに1週間かかるエアーメールで入学の準備、ビザ取得必要書類などのやり取りをした。やりとりの返信の中で「空港の近くにホテルがあるので、そこで一泊し、朝5時のバスにのり、大学近くの街まで来てください。その後、記載の電話番号にかけていただけると私がバス停まで迎えに行きます。」という文面があったので、それを信じ大阪の伊丹空港の海外向けターミナルに向かった。友人20名くらいが見送りに来てくれて僕もアメリカに渡って成功(?)するんだという勇んだ気持ちでアメリカに向かったことを鮮明に覚えている。ロサンゼルスを経由してミシシッピの大学から一番近い空港のメンフィス空港に向かった。初めての米国本土、初めての一人で乗り換え、初めてづくし疲れていて機内ではぐっすり寝れた。やっとこさ、メンフィスに着くとすでに時間は19時くらい、飛行場を出ようとした時には8時近くになっていたと思う。

 

「ホ、ホテルがない!」初めて米国の本土に来た初めての言葉がこれ。あれだけ受け取ったエアーメール(国際郵便)に空港の近くにホテルがあるって書いてあったのに。「飛行場を出ると、そこは駐車場だった」的な感じになっていた。まずは落ち着いて尿意があるのでトイレに行き、もしや今晩はここで一晩過ごすの〜😲と思いながら、取り敢えず、ホテルが近くにあるのを聞こうと、行き交う人に自分の100パーセントの英語、20パーセントの正解率の英語で「俺、今日、ホテルに泊まりたい。どこホテルある?」と聞いた。もちろんこんな英語なので、何人かに無視されてしまった。暫くすると、逞しい身体のいかにも軍人です。私嘘つかない。というような人がこっちに歩いて来た。チャーンスとばかりにこの人を捕まえ「俺、今日、ホテルに泊まりたい。どこホテルある?」を言ってみた。結果、その軍人さん、空港にあるホテルの予約場所に連れてってくれた。そこでなんやらかんやら言われ、どうやらホテルは予約できたよう。予約場所のお姉さんが言うにはホテル行くにはリムジンなんちゃらとかんちゃらがあるのでと説明され、「流石アメリカ〜あの長い車のリムジでホテルに向かうのか〜」と思い、勇んで駐車場に行くと何とそこにはボコボコになって、汚れたバンしかな〜い。「これの何がリムジンだー」と思いながら運転手に聞いたところどうやらそれはリムジンバスというもので、近くにあるホテルを回って客を送る送迎バスだった。「あー夢のリムジンはどこに行った〜」とバスに乗って待っていると、10分程度でバスは満員になり、近くのホテルに向かった。日本の感覚の「近く」だと歩いていける距離もしくは空港に隣接していてという感じだけど、アメリカの近くはホテルということなので、20分程度バスに乗ってもまだ着かない。30分くらい乗って他の人のホテルに着き、僕のホテルにはそれから20分くらい乗ったところでやっと「近い」定義されているホテルに着いた。その時日本の距離の感覚がアメリカのそれとは違うんだな〜と感じた。また、後年当時大学の寮で知り合った知人とシカゴに行くこと決定。彼らからは「シカゴは近いから」と言われ、一緒に車に乗った。けれども、待てど暮らせど一向にシカゴに着く様子がない。結局大学からシカゴに行くのに8時間程度掛かってついた。やはりアメリカの近いは日本の近いとスケールが違うのをまた味わった。

 

アメリカ、日本同じ意味の言葉があるけれど人の文化やバックグラウンドによっていろんな事が違い、まったく変わってくるんだなーと思った初めての瞬間がこの時だった。